「華氏451度」

吉沢悠主演舞台、久しぶりに観劇しました。4年ぶりなんですね、彼の舞台を観るのは!KAAT(神奈川芸術劇場)の千秋楽。

白井晃演出、長塚圭史脚本。原作はレイ・ブラッドベリSF小説。書物を読むことが禁じられた近未来が舞台。

近未来の話でありながら「言論統制」とか「戦争」とか時代を逆行しているような錯覚に襲われました。歴史は繰り返すということなのか。ちょっと怖い話でした。

吉沢悠演じる主人公のモンターグはファイアマン。といっても「消防士」ではなく「昇火士」。発見された本を焼くことが仕事。(ここで彼のお父さん、確か消防士だったなと思い出したり)

まず、壁一面本棚という舞台装置に圧倒されましたが、目を瞠ったのが「本や人が焼かれる描写」。舞台における照明効果の凄さ。なにせ題名が「華氏451度」だから、ここは拘った表現だったんだろうなと思う。

2時間ぶっ通しという長丁場。主役の吉沢君は出ずっぱりで、その他の俳優さんも1人で何役もこなしていたりして多忙。セリフもちょっと難解。役者さんの力を見せつけられる舞台でしたね。でも、途中ちょっと睡魔が・・ここ最近の疲労(笑)せっかく前の方の席だったのに申し訳なかったです。

吉沢君はいい意味で変わってない。相変らずの熱い演技。今年40歳になったはずなのに若さを感じました。

美波ちゃんも大した女優だなと。鹿の役までやっちゃう!彼女は「女優」という生きものなんだろうな、本当に。

そして吹越満さんの存在感。モンターグの上司役として舞台に登場するとなんかドキドキするし、後半に別役で出てくるとなんか癒される感じで。お芝居のメリハリもあるし振り幅が広い。

久しぶりに演劇らしい演劇を観ました。