テラヤマキャバレー

寺山修司が亡くなった年齢(47歳)と奇しくも同じ年齢の香取慎吾が、死を目前にした寺山を演じる舞台。

もうすでに死が迎えに来ている中で、彼は脳内でどんな芝居をつくるのか。自分の「言葉」を残すことはできるのか・・

個性的なキャストの皆さんの、生のエネルギーが爆発するような舞台でした。特に一幕の終わりは苦しくなるくらいのパワーを感じました。

劇中で寺山修司が歌った「質問」。

「あなたは幸せですか」「誰かに愛されてますか」「戦争はいつ終わりますか」

淡々と歌われる重い問いかけ。人生って自分自身に「質問」を繰り返していくことなのかもしれない。

香取慎吾も、いつもの香取慎吾ではないです。あのアイドルスマイルが時に般若みたいな顔になってしまうのですが、どちらが本来の顔なのかわからなくなる。彼のなかにもこういう人はいるんじゃないかなと思わせる。

生のエネルギーを感じるからこそ、その対極にある死を深く感じることができる。そんな舞台でした。