「R.P.G.」

R.P.G. (集英社文庫)

R.P.G. (集英社文庫)

インターネットの中の仮想家族がテーマのミステリー。

この作品が書かれたのは17年前で、「インターネット」といっても少し時代を感じました。今はPCからスマホにアイテムも変わってきているし、「掲示板」という響きも懐かしい感じ。

インターネットの世界も仮想の世界ではなくて、現実の世界に近くなっている気がするな。自分の実名や写真を公開する「フェイスブック」が登場したあたりからか。

そういえば、この「はてなダイアリー」も来年の春に終了すると。「はてなブログ」に切り替えればいい話みたいだけど(そもそもダイアリーとブログの違いが未だによくわかっていない・・)なんか時代を感じるというか、こののんびりしたブログ自体が時代遅れなのかと思ってみたり。

話がずれちゃったけど、たぶん17年前の平成13年の時点では、この小説は時代の先端をいく話だったのでしょう。でも「現実逃避」の手段としてネットを利用している人は変わらず存在しているだろうし、匿名性がなくなったわけではないですからね。そういう意味では普遍的なテーマなのかもしれません。

だけど、犯人が殺人を犯した理由。あんまり共感できなかったな。気持ちはわからなくもないが、殺すというところまでいくか?

解説で、作家の清水義範司馬遼太郎の文章で宮部みゆきのことを評していたのがツボでした。