「おそろし 三島屋変調百物語事始」

怪談を読めば少しは涼しくなるかなあ、という安易な考えで選んだ本(笑)読んでも涼しくはなりませんでしたが、奥の深い宮部みゆきの世界を堪能できました。

江戸時代。ある過酷な事件を機に、心を閉ざしてしまった17歳の少女おちか。身を寄せた叔父の家で、次々に訪れる客人のふしぎ話に接するうちに、彼女の心に変化が起きる・・

このふしぎ話がオムニバス形式のようになっているのですが、ひとつひとつの話がすごく深くて、おどろおどろしい。読み手の想像をはるかに上まわる壮絶な展開。そして残酷な結末。やっぱり宮部みゆきを甘くみているとケガをします(笑)

最終章がまた彼女らしい、なんていうかエキセントリックな世界になっているのですが、そこが「ブレイブ・ストーリー」とか「あかんべえ」にも通じるのかな。

なにが怖いって一番怖いのは人間の心なんだね。