- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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今年、生誕100年ということで話題になっている太宰治。ということで中学生の時に読んだ「人間失格」を再読してみました。(短いからすぐ読み終わるしね〜)
幼い頃から、人間に対して恐怖心を抱き、わざとお道化ることによってその恐怖を克服?してきた主人公。その後、NOとは言えない性格もあり、酒や女、薬に溺れ破滅してゆく。
こうストーリーを書くとなんてことない話なのですが、自伝的な内容であるためか文章に迫力があるのです。鬼気迫る感じというか、魂の告白というか。
こんな人生、私とは全く縁がないわと思いつつも、強引に共感させられてしまう感じがあるんです、この小説には。
「人が怖い」と感じて、その為に人の顔色を伺ったり、場を和ませるために面白いことを言ってみたりすること、私にもあります、昔も今も。本当に自分の意思で動けているのか心配になってしまうときも。
そして、それは私だけじゃなく多くの人がそういう部分を心にもっているとも思います。
中学時代の私も、自堕落な主人公をとても遠い存在に感じながらも、とても近い存在にも感じました。それは大人になった今、読んでも同じ読後感でした。
ただ、今はもうちょっと反面教師的な見方も。やっぱり強くならなくちゃなと。周りに流されず、自分の意思を大切にして生きていかなくちゃいけないなと思いました。
それにしても中学生が読むにしちゃ、ちょっと過激な内容・・・淫売婦が出てきたり、女と心中して自分だけ助かっちゃったり、内縁の妻が強姦されたり・・・おませな中学生だったんだね、私?