- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1976/09/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (51件) を見る
ずっとこの小説のタイトル「花神」の意味がわからなかったのですが、中国の言葉で「花咲爺」のことなのだそうです。司馬遼太郎は、枯木に花を咲かせるが如く維新を成立させた大村益次郎のことを、こう表現したんですね。
大村益次郎(村田蔵六)が、戊辰戦争で総司令官となって新政府軍を勝利に導くのは歴史の通り。でも、本当に不思議な人で、何か熱いものに突き動かされて行動しているという感じが全くなく、ただ自分の役割を淡々とこなしているだけという感じなんだよね。
歴史は人間がつくっていくもので、その人間には「思い」があり、その思いが歴史をつくっていくものだと思っているのだけれど、蔵六の思いというのが、どうしてもよくわからないまま読了してしまいました・・
「あとがき」を読むと、司馬さんも「執筆中、ときどき途方に暮れた」そうで、「ひらきなおって考えれば、ある仕事にとりつかれた人間は、ナマ身の哀歓など結果からみれば無きにひとしく・・・・死後痕跡として残るのは仕事ばかりということが多い」とも述べられています。
そうか、そうかもね。現代のサラリーマンだってそうかも。そういうものかも。あくまで合理的な実務家としての人生。仕事をした男の人生。
どういう人だったんだろうと、読み終わった後も思いが続いちゃう感じ。今度、靖国神社の銅像のお姿をあらためて拝んでこようかなぁ。
- 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
- 発売日: 2003/07/25
- メディア: DVD
- クリック: 29回
- この商品を含むブログ (16件) を見る