「あかんべえ」下巻読了

宮部みゆき著「あかんべえ」下巻を読了しました。
上巻を読んでいるときには、まったりした話だと思っていたのですが・・下巻は、かなり濃厚な内容でした。人の心の中にある恨みや妬み等のマイナス感情。それが原因で亡者を呼び寄せてしまったり、死んでからも成仏できずに生きている人間に乗り移ってしまったり。
上巻を読了したときに、おりんに亡者が見えるのは彼女が純粋だから・・というような事を書きましたが、そんな単純なことじゃなかったです。
一連の因縁を、解き明かしてくれたのが、おりんに「あかんべえ」をした亡者の女の子、お梅。彼女の物語最後における言動は、ひどく心に迫ってきました。彼女がおりんに「あかんべえ」をした理由。涙なしでは読めません。
宮部みゆきの小説って女性が書いたとは思えないほどスケールが大きいけれど、女性的な感情の流れもちゃんと描けているんですよね。やっぱり只者ではない!

あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)

あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)