社会に出ると同年代の友人とつるんでばかりもいられないけれども、高校生の時は周りに同い年の友達が溢れ返っていたなあ、ということを思い出しました。なんの利害関係もない、本当の友達。心の底から相手のことを思い心配する。濃密な人間関係を学ぶ時期が高校時代だったのかもしれません。主人公2人のことを心から心配し、行動した「親友」、忍、美和子、そして杏奈には愛おしさを感じます。
小説としては、2人の秘密も最初の方で明かされてしまうし、展開もよめてしまうし、意外性がなかったです。まっ、杏奈の弟が出てくるあたりは、おもしろい展開ではありましたが。
いっそ、何も知らない忍を主人公にして、貴子と融の秘密を客観的に描いてみたらどうだったでしょう。最後の方で、秘密が明かされるとか。根本的に違う話になっちゃうか・・
最近、ミステリー的なものを読みすぎかも。あくまで「ノスタルジー」を感じることを楽しむ小説なんですね。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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