劇団民藝 稽古場公演「扉を開けて、ミスター・グリーン」

「無頼の女房」を観て芝居づいてしまったのか、今日は劇団民藝の稽古場公演というのを観に行ってしまいました。稽古場なので大きな劇場にはない一体感があり、料金も2000円と格安!なぜ、今まで気が付かなかったんだろう?
演目は「扉を開けて、ミスター・グリーン」。ユダヤ人として迫害を受けた過去をもつ老人と、ゲイの青年の2人芝居です。「差別」をテーマにしているので、思っていたよりもシリアスで、「無頼の女房」に比べると笑えるところは少なかったです。でも、最初は赤の他人同士だった2人が、本音でぶつかり合いながら、最終的に理解を深めていく様が感動的でした。

あと、気が付いたのが「照明」の使い方の上手さでした。若干、暗めの照明は落ち込んだ老人の心の中を表しているよう。そして、最後の場面の、明るく斜めに光が射す情景は老人にやっと訪れた夜明けを表しているようです。役者さんの演技や演出、脚本はもちろん、照明や音響、舞台装置や衣装に至るまで、すべてのスタッフさんの力で創られているのが「舞台」なんですよね。