「ピンクとグレー」

 

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)

 

しばらく読書をおやすみしていました。何を読んだらいいのかわからなくなって(笑)

久しぶりに手に取ったのは加藤シゲアキの著書。

最新作の「オルタネート」が直木賞の候補になり、彼の本は読んだことがなかったけれど、「ジャニーズのアイドルがどんな文章を書くんだろう」という下世話な興味もあり、処女作を手に取りました。

 

芸能界を舞台にした小説はほとんど読んだことがなかったので興味深く、私が好きなあの芸能人はどういう思いで日々を過ごしているんだろうとか、一般人の私にはどんなに想像してもわからないであろうことを、いろいろ考えちゃいました。

物語は衝撃的な展開になり、昨今の芸能界で起きた出来事にリンクする部分もあり読んでいてつらい場面もありました。

どんなに仲が良くても、他人の心の中はわからないと私は思っているのですが、それは固い絆でつながれていたはずの本作の「りばちゃん」と「ごっち」にも言えること。でも、最後に二人の心は完全に一つになったのかな。まるで同性愛のような、彼らのお互いを強く思う気持ちに心動かされるものがありました。

この小説は芸能界、それも男の子だけの集団ジャニーズに長くいる加藤シゲアキだからこそ書けたんだと確かに思います。なかなかの作品ですよ。