「星やどりの声」

過去ログを見たら、「桐島、部活やめるってよ」を1年半前に読んで以来の朝井リョウ作品でした。そのときも書いたけど、今回もその感受性の豊かさにびっくりでした。

「星やどり」というビーフシチューがおいしい喫茶店。営む早坂家の家族構成は「三男三女母ひとり」。お父さんは数年前にガンで亡くなっています。この6人兄弟の1人1人にスポットを当て物語は進んでいきます。

作者の1人1人に対するまなざしがやさしい。兄弟全員が抱えている、亡くなった父親に対する思いがものすごーく伝わってきました。

はっきり書かれていないけど、物語の舞台のモデルは鎌倉でしょう。あの穏やかな海を思い浮かべながら読みました。