- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
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「何者」で戦後最年少の直木賞を取った朝井リョウのデビュー作。
正直、題名を初めてみたときには「読みたい!」という気が起きなかったんだけど、たまには若い人の本も読んだ方がいいかなと思って手に取りました。
読んでみたら、その感性のみずみずしさ、なまなましさに忘れていた中高生時代の思いが浮かび上がってきました。こういう小説はおとなには書けない気がします。
結局、桐島君本人は一度も出てきません。その周辺にいる(友人とは限らない)高校生たちのオムニバス小説です。各オムニバスに桐島君の話題は出てくるんだけど。
単に「派手グループ」か「地味グループ」かに分けられてしまいがちな生徒たちだけど、みんな心に抱えているものは違う。その心理描写、特に女の子の心理の描写が鋭かった・・いや、朝井君本人はどんな男の子だったのだろうと、その感受性の強さに興味深々です。
沢島亜矢のように、音楽室から放課後の校庭を見ていた自身の遠ーい過去を思い出しました。