「遠い夏のゴッホ」in赤坂ACTシアター

吉沢悠出演舞台を観劇してきました!大河ドラマで共演した松山ケンイチの初舞台、初主演作です。

ゴッホ」といっても、あの「ひまわり」のゴッホじゃありません。なんとゴッホセミ。幼虫時代の恋人より1年早く羽化してしまったという悲劇の運命を背負ったセミ

彼は3週間しか生きられないというセミの常識を乗り越え、来年の夏まで生き延びることに挑みます。ただ、ひたすら来年の夏に恋人ベアトリーチェに歌を聴かせるために・・・

せつない物語なのですが、西田シャトナー演出によりユーモアたっぷりに描かれます。群唱や「アリス・イン・ワンダーランド」にも出ていた安蘭けいの歌が随所で入り、中だるみを防いでいました。

登場するのはすべて「虫」ですが、その哲学は人間にも当てはまります。

セミが今年の夏までしか生きられないのはこの世界が決めたこと」

人間にだって、いつか必ず死が訪れます。この地球上で自然の摂理には逆らえないというところで、人間も虫となんら変わらない。この舞台のゴッホは愛の力でその自然の摂理を超えようとするんだけどね。

松山ケンイチ、堂々たる初舞台でした。役者としての勘の良さ、身体能力の高さを感じました。

恋人ベアトリーチェ役は美波。舞台経験豊富な彼女が、可憐にセミの女の子を演じていました。

吉沢悠演じるミミズのホセのとぼけた演技は笑えました。舞台の場数を踏んできてかなり余裕がでてきたかな。

筒井道隆も相変わらず独特な存在感。「オーデュポンの祈り」の時は「かかし役」が異常にハマってたけど、今度はトロいセミ役。次回は是非、人間役が観てみたいです(笑)