「最後の忠臣蔵」

今年、最後の映画ということで、レディースデーに時代劇を観てきました。

有名な赤穂浪士の討入りから16年後が作品の舞台。討入り直前に逃亡し、大石内蔵助の隠し子を育てるという使命を受ける瀬尾孫左衛門に役所広司。四十七士の1人でありながら、やはり使命により生き残って浪士の遺族の援助に走った寺坂吉右衛門佐藤浩市

この2人の夢の競演が観たくて観に行ったようなものですが、確かに2人のシーン(ススキの中での立ち回り、その後の橋のシーン)も良かったのだけど、孫左と内蔵助の遺児、可音のシーンが抜群に良かったです。

可音を演じていた桜庭ななみちゃん。名前は聞いたことあったけど、ただのアイドルだと思ってました。でも、なかなか、どうして。時代劇初めてとは思えないあの佇まい。清楚さの中に潜む小悪魔が孫左を惑わせる。

役所広司が孫左の複雑な心境をよく表現していたなあと思います。内蔵助に対する忠義心から可音を育てていたけれど、いつしか女性として意識してしまうようになる。でも、彼の可音に対する愛は、男女の恋愛とも親子愛とも違う。赤穂浪士として、もっと大きなものを抱えていたんだと思う。

だからこそ、あの嫁入りのシーンは泣けるんだよね。名シーンです。

全体的に絵もきれいでした。やっぱり日本映画っていいよね、と思ったらワーナー・ブラザースが製作に関わってるのね。1年の終わりにいい映画を観ました。