娘を教え子に殺されたシングルマザーの教師(松たか子)の「告白」からこの映画は始まります。もうこのシーンから尋常でない空気がこの映画に漂っていました。
ここから最後まで、この尋常でない空気が続いていって、心休まる(心温まる)暇は全くありません。「孤高のメス」よりもむしろ、こっちの方が「血」も多かった・・
松たか子は以前から、シリアスもコメディもこなせる芸達者な役者だと思ってたけど、ここまで鬼気迫る演技を観せてくれるとは。新境地だね。もうキムタクの相手役というイメージから完全に脱皮してます。
中学生たちを描いているのに中学生は観れない(R15)というセンセーショナルな内容にも関わらず、案外すんなりと観れてしまうのは多分、非現実的な映像とその世界観にぴったりくる音楽のせいでしょう。これをエンタメと言っていいのかどうかはわからないけど。
ただ、非現実的といっても、中学生くらいの子が同級生やら自分より小さい子を殺害する事件は実際にたくさん起きています。その現実をきれいごと抜きで映画にしてしまった怖さを感じた作品ではあります。
同じ中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」はどうにも好きになれなかったけど、この作品はありかなと思いました。こういうタイプの映画が何週間も興行成績1位を取り続けているっていうのも興味深いというかなんというか・・・
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
- 購入: 31人 クリック: 1,085回
- この商品を含むブログ (483件) を見る
原作本もちょっと読んでみたくなりました。