- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/28
- メディア: 文庫
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伊坂幸太郎という作家の本を読むのはこれが初めて。読んだ印象は文体が軽妙というか若い人が書いた小説だなという感じ。そういえば、自分と同世代の作家さんの本って、あんまり読んだことなかった。
ただ、内容はものすごーく重いです。この本も結構、前に読み終わってたんだけど、なんて感想書いたらよいのか、わからなくてそのままになってたくらい。
主人公である「泉水」と弟の「春」は、どこにでもいる仲の良い兄弟。しかし、「春」は母親が強姦されたことによってできた子供であるという残酷な生い立ちを持つ。
もう、この事実が重すぎてつらくて、読んでる間ずっと心の中に靄がかかっている感じでした。命は尊い。どんな命も。でも、強姦は絶対に許せない。じゃあ、そのことによって生まれた命は?考えれば考えるほど、あまりに不条理。
ラストまで読んでもあんまりスカッとする感じはしません。ただ、こんな重い過去を抱えていても、両親とこの兄弟たちが明るいことだけが救いです。