やっとのことで、昨日、鑑賞してきました。
三谷幸喜監督のマスコミ媒体での宣伝が、度を超えていると批判を受けたりしていましたが、実際に作品を観て三谷さんの気持ちが理解できました。それだけ、監督のこの映画に対するこだわり、愛情が感じられる作品だったから・・
もちろん、過去の映画作品もそれなりに自信作だったのでしょうが、この作品には監督自身の「映画」というものに対する愛情(敬愛心)が溢れ出ているんですよね。演劇人である三谷さんがこういう映画を作ったということが興味深いし、本当に映画が好きなんだなあ、だから映画監督も続けてるんだな、と納得しました。
佐藤浩市は映画が好きで好きでたまらない三流役者をいい感じに演じています。無理に笑わせようとしている演技じゃないのに、どこか笑えてしまう。彼が画面に出てくるだけで笑っちゃった時もあったくらい!
CMで「ナイフを舐めるシーン」が流れていますが、あれは本編を観ると3パターン楽しめます。
彼のセリフの中に「舞台には出ない。俺は映画役者だ。」というような一節が出てくるのですが、これは浩市さん自身の言葉でもあるんじゃないかと。以前、テレビで中井貴一と対談していたときに「自分は映像役者だから、舞台はやらない」と言っていたんですよね。中井貴一がもったいないみたいに言っていたし、私自身も舞台の浩市さんを観てみたいんですけどね。
あのセリフの時に、三流役者の村田大樹と一流役者(といっていいんじゃないかなあ?)の佐藤浩市が重なって見えたんだよね。私は浩市さんが今ほどメジャーじゃなかった若い頃の出演映画、かなり観ています。映画役者として彼が歩んできた道を思うと、こういう作品の主演を演じてくれたことが感慨深かったです。
この映画の素晴らしいところは、劇中で役者だけでなくスタッフにもスポットを当ててるところ。ラストシーンは痛快で感動的な面白さでした。映画は役者、スタッフみんなで作り上げるものというメッセージが込められていました。最後のクレジットも普通は役者が先だけど、スタッフが先だったしね。こだわりが感じられる。
とにかく、今までのコメディ作品とは一味違う、心に残る三谷作品だと私は感じました。
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