「火車」

「火の車」という題名の通り、借金に人生をメチャクチャにされた女たちの物語です。

確か、この本についての書評で、林真理子宮部みゆきのことを「松本清張の娘」とか評していたと思う。要するに社会派ということで。全く、そのとおりだと思いました。

クレジットカードという1枚のプラスチックのカードで、誰もが簡単にモノを買ったり、お金を引き出せてしまう。が、中には所謂カード破産してしまう人もいる。その怖い現実を、宮部みゆきは弁護士などからの取材を基に描いています。

自己破産とは、どういうことなのか、詳細に書かれているので、勉強になります。

ま、借金地獄も確かに恐ろしいけれど、私がもっと恐ろしかったのは、他人の謄本や住民票を勝手に動かして、他人になりきることができる、ということ。ネタばれするので詳しくは書けないけれど、どんな事情があるにせよ、犯人は許せないよなあ、と思いましたよ。

あとがきの中に、文中に出てくる大阪弁の会話について東野圭吾にアドバイスしてもらった・・とありました。交流あるんだね。