「逃亡くそたわけ‐21才の夏」

数日前に渋谷にて鑑賞。

躁鬱病の花ちゃん(美波)と欝病のなごやん吉沢悠)の2人が、入院していた精神病院を抜け出して、車で九州縦断の旅をする・・というロードムービー

・・思っていたよりも、映像や音響、音楽がアーティスティックでした。テレビドラマがスクリーンサイズになっただけなんじゃない、という映画も多い中で、久しぶりに映画らしい映画を見たなという感じ。特にカメラアングルが凝ってました。

花ちゃんの幻覚の映像も、自然に映画に溶け込んでました。ともすれば、安っぽくなりがちなところですが、そうは見えなかったのはすごい。

お話の内容は、よく言えば「押しつけがましいところがない」、悪くいえば「何が言いたいのかわからない」というところかな。元々、原作がそうなのか、映画にしてみたらそうなったのかは、原作を読んでいないのでわかりません。

こういうアートな作品に出ている吉沢悠というのも新鮮でした。声が高めで悲鳴も女の子みたいだったのは、役作りだったのでしょうね。彼はどちらかというと「受け」の芝居が得意で、これまでも数多くの女優さんの演技を引き立てていたと思いますが、今回も美波の良さをうまく引き出していたと思います。

美波の演技自体は、まだまだ荒削りという印象でしたが、今後どういう女優さんになっていくか楽しみです。ドラマ「有閑倶楽部」でも、面白い演技してるみたいだし。次回から観てみようかな。

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)