「オーデュポンの祈り」

ラサール石井演出の舞台「オーデュポンの祈り」を観劇してきました。

原作者は言わずと知れた伊坂幸太郎。かつて「重力ピエロ」を読んだときに感じたスッキリしない感じ。そして先日テレビ放送してた映画「ゴールデンスランバー」を観たときに感じた入り込めない世界観。今回の舞台もちゃんとついていけるか不安が募る一方でした(笑)

しかし、あえて原作を読まずに真っ白な状態で観劇。

本でも映画でも入り込めなかった伊坂ワールド。これが、舞台になるとあまり違和感を感じませんでした。演劇って明らかに現実とは違う空気が流れているじゃないですか。ある意味なんでも許される世界観があって。そんな演劇の懐の広さが伊坂作品と相性が良かったのかなと勝手に思っています。

ただ、ラストシーンは唐突に感じました。主人公伊藤がコンビニ強盗の果てに辿り着いた、未だに鎖国をしているおかしな島。その島に足りないものって・・・このあたりは原作本をじっくり読んで深く感じられたらと思いました。

パンフレットの筒井道隆のコメントがこの作品のポイントをうまくまとめているようで興味深く読みました。彼のカカシ役、はまってましたねー。やる前からイメージぴったりだと思ってたけど。

吉沢悠は「ハンブン東京」「幕末純情伝」とずっと生の舞台を拝見してます。今回は本格的な主役で、最初から最後まで出ずっぱり。ちょっと無難な感じでしたが、最後のやり遂げた感じの笑顔が素敵でしたよ。もっと舞台での場数を踏んでもらいたいですね。