「七つの会議」

七つの会議 (集英社文庫)

七つの会議 (集英社文庫)

結構分厚い本にもかかわらず、あっという間に読み終えてしまった。。仕事帰りの電車の中で読んでも、まだ仕事の続きをしているような全く気分転換にはならない内容なのですが。引き込まれるように読んでしまいました。

ある大手企業の子会社である中堅メーカーが舞台。銀行を舞台にした「シャイロックの子供たち」のような、「オムニバス小説なんだけど、全体を通して1つの謎を追っていく」構成になっています。

ただ、謎といっても三分の一ほど読むとどういうことか予想はついてきます。最後の最後で意外な事実がわかった「シャイロックの子供たち」の方がミステリーとしてはおもしろかったかも。

キーパーソンが誰なのかが後半ではっきりしてくるところは「シャイロック」に通じます。この2作に共通するのはオムニバスであるが故に、ある「同じ事柄」に対し様々な登場人物の視点になれるところ。読者も客観的な視点を勉強できます。


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「客を大事にせん商売は滅びる」

ある登場人物の言葉。この基本中の基本を忘れている企業もあるのかもしれません。そういえば「お客様は神様です」と言った人もいたよね。このことを、商売する人は忘れちゃいけないよね。