- 作者: 川村裕子
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: 文庫
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学生時代「昔の文章を読めたって実生活には役にたたない」と古典には興味がもてませんでした。でも、現代語訳の源氏物語を読んでから、何百年もの時を超えて残っているものには、残るだけの理由があるのではと思うように。それを読まないのはもったいない!
そんなわけで、古典の中でも内容が理解しやすそうな更級日記のビギナーズクラシックス版を入手。
このビギナーズクラシックスというのは、段ごとに現代語訳、原文、解説と続いていて、名前の通り初心者にも古典がわかりやすく構成されています。現代語訳を読んだ後、原文を読むとあんなに苦手だった古文がすんなりと理解できた気になります。
そして、何よりも原文の日本語の美しさに心奪われました。流れるような文章とはこのことです。声に出して読みたい日本語。
書いてある内容は老年に差し掛かった女性がこれまでの人生を振り返って綴った自分史です。源氏物語などの物語を読むことにうつつを抜かし、大きな夢は見るけれど結局、普通の人生を送った女性。ミーハーで神を信じないって、まるで私だわ、とちょっとドキッとしました・・・
でも、これを書いた菅原孝標の娘は、1000年経っても読み継がれる作品を残したんだもん、全然平凡な人生じゃなかったよ・・と思うんですけどね。