「道 〜白磁の人〜」

日韓併合後の朝鮮で、人種に対する偏見を全くもたず、朝鮮の美術を評価し、森の再生に尽くした実在の日本人、浅川巧の半生を描いた作品。

こういう日本人がいたことを全く知らなかったし、この地味な題材をよく映画にしたなと感心もしました。NHKがドラマにしそうな内容です。

ただ、2時間という限られた時間で描くには少し無理があったようで、前半はかなり駆け足でした。1つのシーンが短すぎて、落ち着いてじっくり味わうことはできませんでした。時代背景の説明も足りなかったと思います。

やはり4〜5回シリーズのNHKドラマだったら、もっと余裕をもって描けたんだろうな。

吉沢悠はやっぱり、こういう真摯な役がぴったりで真骨頂という感じでした。友情を育んだ朝鮮人の友人役のペ・スビンも実に良かったです。最初は見た目が豊原功補に似てると思ったけど、魅力的な俳優です。(もちろん豊原さんも魅力的ですよ!)

2番目の奥さん役の酒井若菜も存在感があって良かったです。が、柳宗悦役の塩谷瞬が出てくるたびに、なぜか吹きだしそうになって困りました。なんなんだろう、あの浮いてる感じ(笑)ある意味、彼も存在感はあるんだけど・・

朝鮮の人たちから尊敬された日本人、浅川巧。この映画は韓国でも公開されるということで、どういう感想が出てくるのか興味深いところです。