東野圭吾原作「秘密」3

季節の変わり目に風邪を引き、ずっと臥せっていました。そんな中、「秘密」を読了しました。
この本を読んで考えたことは「生きる」ってどういうことなんだろうということです。
体は魂の器に過ぎないときいたことがありますが、直子の魂は娘である藻奈美の体という器に入ることで結局は別人格にならざるを得なかったということですよね。
旦那さんにとっては姿は藻奈美でもやはり直子は直子。でもそれは、自然の摂理に反するというかなんというか・・・
直子の選択は悲しい。ある意味自殺なのだろうと思います。でも「不思議にそう悲しくもない」という言葉からは「藻奈美として生きるという新しい人生」に対する希望もあるのかなと。そう考えると直子ってちょっとずるいって思っちゃいますけど。
でも平ちゃん(旦那さん)のことを変わらず愛していることは指輪の話からもわかります。やっぱり切ない。切な過ぎる・・・
東野圭吾の作品は最後の最後までわからないですね。今回も作者の思惑通りいい意味で裏切られました。解説にもありましたが、「こんな気持ちを味わいたくて駄作にあたっても読書はやめられない」って感じです。