「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

東野圭吾の本は10冊以上読んでいると思うのですが、もうこれがナンバーワンになりました。本を読むのがものすごく遅い私ですが、おもしろすぎて2週間で読み終わっちゃったもん。

内容はあまり書かない方がいいかな。「悩み相談」がキーワードになっているのですが、深刻な悩みであるほど気易く人には相談できないですよね。でも、全くの赤の他人になら、却って相談できるということはあるかもしれない。

そんな赤の他人のナヤミ相談にのってくれるという素敵な雑貨店、それが「ナミヤ雑貨店」です。

私もあまり人に相談する方ではないし、結局自分自身でどうするか決断することが多いけれども、こんな心の交流ができる雑貨店があったらいいのになと思います。

どんなに時代が変わっても、人が人に真剣に向き合うことや、人生を真摯に生きることは素晴らしいことなんだということを、この小説は教えてくれます。

オムニバス風の作りになっていますが、第四章の「黙祷はビートルズで」が特に胸にグッときました。短編なのに大河小説みたいで。ビートルズ世代ではないけど、今でいうとSMAPみたいな感じだったのかな。音楽性はともかく。

この作品は映像化はむずかしいかな。おっと、キャラメルボックスが舞台化してた!こういうタイムトラベル系はお得意かもね。