「ハゲタカ」下巻

鷲津の投資ファンドとしての一連の動きの根底には、「父の敵討ち」がありました。
でも、彼の言動は常に冷静で理にかなった事ばかり。彼は正攻法で、銀行、そして日本と勝負し勝ったのです。

自分でも気付かぬ内に、1人の人間を死に追いやっていた芝野は哀れです。あんなに正義感の強い人が、「正義」を知らぬ内に踏みにじっていたのですから。

この小説を読むまでは、投資ファンド、所謂「ハゲタカ」に対して、良い印象をもっていませんでした。でも、日本経済のバブルが崩壊したのは、自業自得。自ら再生できないのであれば、ハゲタカの世話になるしかなかったのでは。

鷲津があまりにカッコよすぎ。彼こそ、現代の「武士」でしょうか。

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