「硫黄島からの手紙」

先日「硫黄島からの手紙」を鑑賞しました。アカデミー作品賞にもノミネートされている話題の映画で、二宮和也の演技も評判のようなので、劇場が空いてきてからゆっくり観ようと思ってました。

太平洋戦争末期の、硫黄島での36日に及ぶ日本とアメリカの戦いを、過剰な演出を抑え日本側の視点で描いている映画。これまで日本で作られていた戦争ドラマは、日本の軍部の描き方が画一的で、この映画でいうと中村獅童が演じた役柄のような人間ばかりだったような気がします。でも、実際には渡辺謙が演じた栗林のような進歩的な考えの軍人もいたのだという事を初めて知りました。

軍人をどこか好意的に描くというのは、戦後の日本ではタブーだったのかもしれません。ただ、戦争を知らない世代にとっては、思想的に偏りのない部分で真実を知りたいというのが本当のところです。一方的に日本を悪者にしない太平洋戦争の映画を、アメリカ人が作ったというのが、面白いところだと思います。

二宮和也の演技は評判通りに良かったです。表情になんともいえない虚無感があって戦争の非情さが伝わってきました。まさかとは思ったけど、やはり裕木奈江は二宮君の奥さんの役だったのね。実年齢では彼女の方が10歳以上年上のはず・・でも、違和感はなかったですね。