東野圭吾原作映画「手紙」試写会

昨日、ヤマハホールで行われた東野圭吾原作の映画「手紙」の試写会を観に行きました。
弟(山田孝之)を大学に入れる金の為に、強盗に入った家で誤って人を殺してしまった兄(玉山鉄二)。兄は無期懲役の判決を受け罪を償う日々を送るが、弟にとっても「殺人犯の弟」というレッテルと闘う人生が始まる・・

この映画は、あまり語られることのない「犯罪加害者の家族」の問題について真正面から取り組んでいる社会派の作品です。原作者東野圭吾も「罪を犯すのはどういうことか、刑罰とは何なのか、真の更正とは・・そんなことを考えながら書きました。」とコメントしています。

山田孝之の嘘のない演技には素直に感動しました。彼は、東野作品によく登場する、社会的弱者、労働者、市井の人・・・という役柄がはまる感じです。出番は少ないですが、玉山鉄二の演技も素晴らしかったです。最後のシーンは一番の感動シーンでした。沢尻エリカ演じる由美子には凛とした強さを感じました。

社会派作品なので、笑えるところは少ないし、時間も長く感じられました。この作品のモチーフになっているのは刑務所に入っている兄と弟の「手紙」のやり取りなので、どうしても手紙の朗読が多くなり映画的には、やや単調でした。ただ、こういう重いテーマを「映画」という親しみやすいメディアで扱い、多くの人に観てもらうことも有用でしょう。

内容知ってて読むのはどうよ、と思いつつ、今日「手紙」の文庫本を買ってしまいました。
設定が違う部分もあるようなので、楽しみです。

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)