- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1976/09/01
- メディア: 文庫
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昨年からの私の中の幕末ブームは続いていて、久坂玄瑞の戦時中に書かれた伝記を読みつつ、司馬遼太郎の小説もまた読み始めました。
「花神」は、一昨年から昨年にかけて読んだ「世に棲む日日」と表裏一体な感じの長州人の物語です。主人公は、大村益次郎。討幕軍の総司令官で、靖国神社の入口の銅像の彼です。
彼は長州人といっても、萩城下ではなく田舎の百姓身分の出で、緒方洪庵の適塾で蘭学を学ぶことで才能を発揮し名をあげていきます。時勢を憂う志士とは一線を画す前半生。思想家や政治家という類ではなく、学者というか職人。文系ではなく理系。人種がちょっと違う感じ。
そんな彼が幕末の歴史の渦に巻き込まれていきます。上巻の後半でやっと桂小五郎が登場して面白くなってきました。
大村益次郎(この時期は村田蔵六)の性格が地味でちょっと魅力がわかりづらいな・・と思いつつ読んでいるのですが、シーボルトの娘さんとのロマンスは興味深かったです。実話かどうかはわかりませんが・・