「中島みゆきLIVE 歌旅 劇場版」

フィルムコンサートではありますが、2000円以上の価値のある作品です。

中島みゆきの声は七変化。優しく語りかけるように歌ったり、激しく唸るように歌ったり。ただ、それを「器用」と評するのには違和感があります。歌の技術というレベルの話ではなく「情念」が込められているかどうかという世界の話です。

歌っている時の表情がまた実にいい。時に不敵にも見える笑み。または、まっすぐ前を見据えて闘いを挑むような表情。または、暖かくすべての人を包み込むような笑顔。実際のライブだとよほど良い席じゃないと、表情までははっきりとわからないよねぇ。

「糸」と「誕生」で泣きました。そして圧巻だったのが「ファイト!」。もうほとんど女優。それほどの表現力。いや、これからも私たちをノックアウトしちゃってください。