「半世界」

40歳目前の男3人の友情物語。

炭焼き職人が主人公ということで、あまり目にすることのない、炭がつくられるまでの過程を興味深く観ることができました。なかなかに地味で体力勝負の仕事。父から引き継いだこの仕事をたった1人でこなす毎日を彼はどういう思いで過ごしてきたのか。

孤独な世界で生きている中で救いなのが、やはり幼馴染の親友の存在。大人になってもバカなやり取りをしつつ、どこか気にしあう。

稲垣吾郎が炭焼き職人の役をやると聞いたときは意外性を感じましたが、むしろ寡黙で淡々と日々を送る役柄がぴったりだったかも。泥臭い仕事をやりながらも、どこか繊細で。その繊細さが物語の結末につながったのか。。

周りを取り巻く人々の芸達者ぶりも見どころでした。

故郷に戻ってきた訳ありの幼馴染を演じた長谷川博己の抑揚に富んだ演技。

かわいいのに生活感あふれた役をやらせたら右に出るものがいない奥さん役の池脇千鶴の演技。

そして親友のお父さんを演じた石橋蓮司の絶妙にコミカルな演技も。

結末はどう受け取ってよいのやら、よくわからなかったな。阪本監督はどうしてあの結末を用意したのだろう。